【最近の関心ゴト】死生学という教え

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死生学

父が亡くなって、今日で丸4年がたちました。

「人が死ぬって、どういうことなんだろう?」
と書くと、
なんだか相手によってはドン引きされちゃいそうなんですが…(笑)。

この疑問、じつはワタシにとって子どものころからの「興味」でした。

なぜかというと、ワタシは幼いころあるキリスト系の宗教に触れて育ちまして
そこでは「楽園での命こそがすべて」で(一種の終末思想ですね)
「現世での死」というものが、あまり大切にはされていませんでした。
(正確に言うと、死についてよく語られるけれど、現世の死の価値は低い)

一方、これとは正反対に、今の日本では死は忌むべきもので、普段語る
べきではないもの、という風潮があるのではないかな?とおもいます。
だから「死」について考えることを恐れているような印象を受けます。

たぶんもう少し家族の単位が大きかった頃は、死というものが仏という言葉と
いっしょに身近だったとおもうのですが、今は親世帯とは離ればなれ、死ぬのも
病院のベッドの上という時代です。(そういうワタシも母が一人暮らしです)
子どもにとっても、身近な人の死を見て体感して学ぶ機会はほぼないですよね。

親しい人が亡くなることは、とても悲しい辛すぎるできごとですが、
この「死」というものについて、わたしたちはもっと学ぶべきだと感じています。

人の「死」は大事にされるべきものなのです。
大切に考えておかれるべきものなのです。

いまならはっきりとそう思います…そう言えます。
人の死は「生に内包されたもの」であると実感として思います。
父が最期に教えてくれたこととして以前にも考えたことですが…
一連の生のプロセスの一環として死があるのかな、と今は理解の途上です。

そういう理解をより強めたのは、「死生学」という学問の領域を知ってからです。

「死生学」というのは、いかに生き、いかに死ぬかという哲学の部分もありますが
それ以上に、生物としての面、歴史の面から、医療の面から、法律の面から、
あらゆる方面に幅広く横断的に展開しています。

たぶんこれからもっと広がるのではないかと思います。

興味がつきないのですが、残念ながらまだ死生学についての書籍が
日本には邦訳されたものも含めて、少ないです。。。
公開講座などがたま~にあるので、それで話を少し聞くことはできますが…)

おそらく一番重要なのは、この「死生学」という学問を(いやそんな堅い名前
じゃなくてもいいから^^;)「死ぬことってどういうこと?」に関する学びの場を
もっと普通に教育の場にもってくることじゃないかなー、と。

そうすることが、今「死への恐れ」「死への望み」を抱いている現代人へ
の救いになるのではないかしら…なんて思ったりするのでした。

もっとよく知りたいとおもいます。

JUGEMテーマ:死生学

コメント

  1. より:

    私も小さな頃から、人が死んだらだうなるの?と、母にいつも聞いていました。
    大切な人の体温を感じられなくなる日が来るなんて、一人で旅立つなんて寂しくて考えたくないのですが、いつかその日はやってくるから、毎日一生懸命に生きたいと思っています。
    またいろいろと教えて下さいね♪

  2. saiko より:

    私は「メメントモリ(汝、死すべき身たるを覚えよ)」という言葉が好きです。
    死を忘れなければ、一日一日の「生」を、本当に大切なことを大切にして生きていけそうで・・(って、毎日反省ばかりだけど^^;)

  3. 奥山 より:

    つい先週義理母が病気で亡くなりました。
    ウチの子供たちを無条件で可愛がってくれた人なので、早すぎる死が残念でなりません。
    でも、人は必ず死ぬ、ということ最後に子供達に教えてくれた、と思ってます。
    生と死はシームレスにつながっているんじゃないかなぁ。

  4. WISH より:

    WISHです。
    もうそんなに月日が過ぎたのね・・・
    生と死に関しては学生の頃、取り留めもなく考えていたけれど 身近に感じられなかったのね。
    死=悲しい・忘れる、忘れられることへの恐れみたいな。
    死を乗り越えるということは、死者を尊び その意思を受け継ぐ=自分達の中で魂は生きている
    そんな風に最近思えてきたよ。
    無信心だけど・・・
    いつもイチバン近くで見守ってくれる存在、とかって思ったら尊厳と掛け離れちゃうかも?
    今の幸せがあるのも、これからの幸せも一人で築いたわけではないと思っているよ。
    生死論と掛け離れてしまった!

  5. ★華サマ
    華さんにお母様はいったいどんな風にお答えになっていたのでしょう?
    子どもにどんなふうに伝えるかってとても興味があります。
    確かにどうやって生きるか…とどうやって死を迎えるかは同義ですよね。

  6. ★saikoサマ
    Remember you must die!でしたっけ^^;
    最初にみたときはコワイ~!と思いましたが、
    「汝、死すべき身たるを覚えよ」と言われると、やはりしっくりきます。
    ますます死についてよく知りたいと思います。
    それが生についても知ることになるんでしょうね、きっと。。。

  7. ★奥山サマ
    >生と死はシームレスにつながっている
    ワタシも今そのようなイメージをもっています…
    だから忌避したり、拒否したりせず、「人を殺してはいけません」
    と教えるのと同じように「人の生と死はつながっている」
    「必ず死ぬから生そのものが貴重なのだ」ということを
    学校で学ぶチャンスがあったらいいのになぁ、と思います。
    今、大学生がまた就職氷河期で今年は就活自殺者が去年までの倍になった
    とか聞くと、その大学生が狭い世界で感じる絶望感もわかるので…
    余計に生と死についてもっと学ぶ機会があったら…と願ってしまいます。

  8. ★WISHちゃん
    >死者を尊び その意思を受け継ぐ=自分達の中で魂は生きている
    本当にそうだよね…
    ワタシはまだ父のことについてそこにまで至れていないの。
    4年も経つのに、まだ死を認めたくないみたい。ワタシも頑固だなぁ…

  9. エリザベス・キューブラー・ロスの本は参考になるかも知れません。「死の受容のプロセス」は医療現場でも学ぶ事と看護師の先生から聞きました。
    僕は『人生は廻る輪のように』と『ライフ・レッスン』しか読んでませんが。

  10. 伸之助サマ
    書籍のご推薦ありがとうございます。
    今年は積読本が増えた一年でした。
    この年末年始は本を読みます!
    そして死生学、やはり学んでみても1年ではまだまだ全容がつかめない。来年も引き続き学びと現場での務めを継続したいと思いますm(..)m

  11. オサジマ より:

    死生学を通して、死生観を深めることは非常に大事な試みだと思います。

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