[今週の図書]
ヒトラーの建築家
モスクが語るイスラム史?建築と政治権力
ルネサンスとバロック
はじめ、『ヒトラーの建築家』を読了し・・・この話はナチスドイツの軍需大臣になった
建築家の話なのだが・・・まさに「政治」のもたらす「建築」への影響、
そして建築のもたらす民衆イデオロギーへの影響をまざまざと見せつけられ愕然とした。
これにあわせ、それでは政治と建築に関連する本を探してみようとおもったところ、
出てきたのが、モスクとイスラム と ルネサンスとバロック 。
これも双方に、政治が「宗教」と「建築」を利用した体制形成の事例といえると思う。
しかしつくづく思ったのは、
今日読んだ3冊は、「絶対権力」つまり「独裁者」の元で創造された建築様式であり、
作為的ではあれ、ひとつの芸術時代がこういう形で作られるということは、、、
建築も含む芸術とは、時代の思想・政治イデオロギィに大いに影響される
もしくは圧力を受けやすいものなのだということである。
中国でも、毛沢東が推奨した文化大革命(この革命は民衆によるものではなく、
独裁者による共産革命である)時代の歌劇などがあるが、文革自体は失政だった
と公的評価が下されても、文革芸術自体は近年特に海外で評価が高まっているそうだ。
ナチスの提唱した「第三帝国様式」もとい「大ドイツ芸術」は今ではタブー?らしいけれど、
芸術の評価って、時代が変わってもまったく評価基準が変わらないものだろうか?
あるいは第三帝国様式の再評価・・・大いにあるかもしれないと思う。
それらはすべて、人間の内面に帰する。
人間の、美への憧れ、賛美、畏怖、狂気、憎悪が「芸術」という形になってでてくる。
だから、さまざまな人間が、さまざまな芸術に惹かれるのだと思う。
良いも悪いも、美も醜も思想のある芸術はすべて。
あぁ、考えさせられる本だった。
怖くなってしまった。
建築と政治の関係 [今週の読書から]
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