今日は、めずらしく自由が丘に向かう。
渋谷・下北沢・自由が丘・・・忙しくなって以来、ほとんど全く縁遠くなっている街である。
しかもさらにめずらしいことに、今日はココにライブを見にきたわけでもなく、
買い物にきたわけでもなく、、、「京料理」を食べにきたのである。
行き先は聖学院裏の『竹生(ちくぶ)』。
本来そんな、高級、希少食材・料理には、わたし自身まったく縁もゆかりもないのだが、
今回は弟の北京時代の友人が、なんとこの日本料理店の若旦那!ということで、
(若旦那とは、一度北京で会ったことがある程度の面識なのだが、
なんとなく、同年齢ということもあってか、懐かしいような気がしてきてしまう)。
駅からこまごまとした店ばかりが並ぶ道を、ぐねぐねと歩くこと10分弱。
この日の日差しの強さと風の無さに、日ごろ不摂生を強いられている身体が
徐々にアレルギィを示しだす・・・。
膝裏にまで染みだしはじめた汗を不快に感じ始めた頃、ふと視界に入った学校の先に、
突然涼やかに竹が揺れる建物があらわれた。
ああ、風を感じなかったけれど吹いていたんだね。
・・・ ・・・ ・・・
実は、シンボルツリーの話を最初に建築家の筒井さんとしたとき、
構造家の小倉さんが「竹もいいものだよ。」とおっしゃっていた。
なんでも、根の張りやすい竹だが、植樹する段階で根を四角い器におさめて植えるのだ
そうである。そうすると、無尽に張り巡らそうとする根を矯正できるとか。
わたしは、裏山が地主さんの竹林(4月、5月はたけのこ食べ放題)という環境で育った
ので、なんだかその根を締め上げてしまうのは、まるで少し前の中国の「纏足」みたいだ
と思った覚えがあったのだが、、、この「竹生」の竹群の涼やかさを目にすると、
竹、やはりよいなぁ~、という気になってしまった。
・・・涼やかで、しなやかで、強い竹。いいなぁ~。
・・・ ・・・ ・・・
いざ店に入る。
「なかなか一見さんでは入れない雰囲気だよねぇ」などと、従姉妹と話しながら、弟に続く。
中に入ると、そこには若旦那とそのご両親が。
そして店の中は、さっきまでの暑さと喧騒がうそのように、
涼やかで静かな時間が流れている。
まるで異空間・・・。
そして次々と並べられる京料理・・・一口を箸をつけるたべに、
・・・な、なんなんですか
この美味しさ・・・!!(驚愕)
本当に、食べたことがないおいしさ。
なにからなにまでが、味。
その外観も、食感も、調理法も・・・全てが味です~。
誇張するわけでもなんでもなく、そのときこう思いながら食べていた。
(京都人じゃないけど・・・[汗;])
いやはや、いやはや本当に幸せな体験をさせていただきました。
・・・ ・・・ ・・・
そして後半。
そこから若旦那の独壇場がはじまった。
弟が若旦那に聞く、
「あれ、例のがお店にかざってないじゃない?」
・・・例の?
若旦那がなにやら、中からごそごそと大きなものを抱えて近づいてきた。
「いや~、これ北京の市場で一番大きいの買って、さばいて、乾かしたやつですよ。
カブトガニですよ。」
は、はぁぁぁぁ~?????
で、実物はコレ・・・スよ・・・。
写真では小さくなっちゃってるけど、、、
これーーー70cmはあるスよぉぉぉ~!?
しかも、この周囲を竹で編んだ展示ケースまで、
若旦那の手製。
(この方、自前の包丁鞘まで見事な手彫りモノである。)
なんでも、若旦那、カブトガニを剥製にしたいために、北京の市場でこれを買い、
得意の包丁さばきで、コイツをかっさばき、塩茹でにして調理したらしい。
(若旦那の北京留学の目的は「ゆりねの研究」だと聞いていましたが・・・(笑))
とにもかくにもすごい!
そしてやはり弟の友人は「ちょっと“変”な“イイ人”が多い(笑)」
・・・ぜひとも、次はまただれか他の知人もつれてカブトガニ鑑賞に・・・
いや再度、至福の味を体験しにいきたいものだ。
コメント
かぶとがにのお味やいかに。ぜひ、教えていただきたいものです(つい、家とは違うトコに反応してしまう……)
泥臭かったそうです・・・(笑)しかしさらに悲劇的だったのは、そのあとの天日乾燥作業。それを約1ヶ月中国人の友人の家の庭先でやったらしいんですがね・・・くっさいのーーーなんのおおおぉぉぉーーー!!!周辺住民から苦情がくるほどの臭気だったそうです。「なんで乾かすんだ!食ったら捨てろ!」って(笑)。今でも語り草。その地区では日本人がまた誤解されているでしょうなぁ。
ええええっーー食べちゃうんですか~~!!さすが中国。。。(わたしゃ目の前にあっても食べたくないけど・・^^;)でもカブトガニって「絶滅危惧種」だったような・・中国にはたくさんいるのかな??
★saikoさんそうですよね。日本では絶滅危惧種で、天然記念物ですよ~(>oWikipediaによりますと・・・「日本においては田畑の肥料や釣りの餌、家畜の飼料として使われていた。中国や東南アジアの一部地域ではカブトガニ類が食用にされている。中国福建省では「」(ハウ)と呼び卵、肉などを鶏卵と共に炒めて食べることが行われている。」とのこと・・・やっぱり時に中国の市場は、日本の動物園、水族館以上にミラクルだよね。ナポレオンフィッシュとかブツギリで売ってたりするし、カルフールには、ブラックバスが食用で売ってるし…^^;