住宅・建築業界の構造 [イメージの世界]

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今回家を建てるにあたって、
私たちは初めて当事者として生の「住宅建築業界」という世界に接することになった。


土地を買って、家を建てることを決めるまでに、
一体何人のこの世界のヒトたちに会っただろう。。。

具体的に言うと、当初接触したのは、「大手不動産仲介業者」と「ハウスメーカー」。

短期間ではあったが、そのなかで感じたのは、
(私たち素人が「住宅・建築業界」と思っている部分は、
 実はほとんどがイメージに基づく大きな虚構なんだなぁ)  ということ。

そして、この虚構は「実質以外の部分」にとてつもないお金を掛けて
作られているんだ、ということは、、、しばらくするとすぐわかった。

特に大手の場合、広告宣伝に金をかけておけば、住宅ってリピーターを期待する
比率は他業界に比べて低いだろうし、その場限りのうっちゃり仕事でも、
新規顧客獲得で生き残れちゃうのかもしれない。。。恐るべしイメージ力。


当初、少なからずそれに対する「不信感」と、
同時に業界の「隙」にも似た、甘い部分を感じたというのが正直な感想だ。

さて、ではそれに対して「我々消費者・施主にできることはなんだろうか?」

地道なようだが、消費者全般が住宅建築に関してもっと眼力を養うことではないだろうか。


そこで、自分の家を建てるという行為を、ただの「個人のマイホーム取得」だけでなく、
この業界における「経済行為」の一環として考えてみる。

まず自分にとって選べる選択肢がどれだけあるのか、

この業界全体を広く浅くでよいから、把握する必要がある。


自分が選ぼうとしているものがその中のどこに位置しているものなのか、
客観的にとらえなければ、消費者として本当に妥当な判断はできない。

(素人カブレが~余計な口を・・・)と敬遠する玄人が仮にいたって、全然かまわない。
玄人に口を挟む意図など毛頭ないし、消費者としての標準ラインにたつためだもの。

消費者も勉強しなきゃ、良いモノ悪いモノもわからない。

だから、施主はできるかぎり「施主なりのプロ」であるべく努力してもバチは当たらない。


わたしとしては、要するに・・・
「これはイイッ!」と思うモノに、自分が出来得るかぎりの評価、つまり対価を払いたい。

そういう本当に価値あると思ったところを消費者の目で選別し、ソコにこそ相応の対価を

払っていくことが、この業界の構造に微細でも影響をもたらすんじゃないかなぁ・・・
なんて勝手に希望をもってみる。

言い方は悪いが、住宅・建築業界って少なくとも自分たちが経験してきた業界にくらべて
みると、業界構造破壊が遅れている・・・と感じる。

構造的な理由で、儲けるところが圧倒的に儲けて、
もっと貰ってもいいはずところがfeeをとれていない体制。
どこの世界にもある構造だとおもうが、その傾向がより強く未破壊な業界じゃないのかな。

そして消費者の実感としては、大手で売上高あがっているからって、
必ずしも質の良いサービスとは言えないんだよな~というのが正直な感想。

船井総研建築コンサルのページで創始者も言っている。
「建築業が今後生き残る道は、本物住宅の提供とサービス力」と。

なにもコンサルタントになれというわけではないが、営業は本当に重要なポジションだ。

不動産仲介業界にも顧客の個別要望を掘り起こす「ソリューション営業」

という分野がもう少し発達していてもいいと思う。


そんなことをふと考えさせられた、キャッチーな題名のわりにけっこう中身のある本。


プロが教える!建築費500万円を節約するかしこい家造り


コメント

  1. コウザキ アツオ より:

    住宅新築ガイドの第200回大阪府貝塚市K邸の施主です。同じ意見です。大手住宅メーカーの建物金額には、広告宣伝費、住宅展示場の運営費、耐震実験や研究などの営業経費が含まれていることや、材料も多少の性能の良さに費用が高くついたり、必要以上の豪華な設備に費用がかかって、とんでもない見積り金額を提示されました。また、全国展開しているホームビルダーでは、一人の営業が10件近くの物件を担当していて、最初の見積りと後の見積りが大幅に変わっていて、契約を取る為ならなんでもありかよと信用できなくなり、地元のホームビルダーは設備関係が豪華でエアコンや照明まで標準で付いているものでしたが、見積りをしてもらうと、結局はそれらも全て含まれている金額の提示でした(住宅は坪単価で表示される為消費者はおまけで付いているように思ってしまうし、キッチンなどもメーカーによっては仕入れ値が違うはずなのに、標準と言って一律の値段を払わされているのです)。ですから私は、コストを抑える為に、設備関係は自分たちが快適に使える必要最低限のものが選べて、キッチンなどは工務店が勧めるメーカーに限定したり、材料などもコストや施工性、デザインなど細部にまでこだわってできる、本当の意味での完全自由設計の建築家との家造りを選択し、ネットコンペを開催し、依頼先を決定しました。つまり、お金をかける家造りではなく、時間をかける家造りを選択したのです。

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